この団体は、家庭での虐待や育ててもらえない状況、生活の不安定さなどを抱えた子どもや若者を支えるために活動しています。拠点は東京にあり、児童養護施設や自立援助ホームなどを通して、生活の土台を支えてきました。
どんな団体か
この団体が目指しているのは、アートを通じて新しいコミュニケーション、つまり人と人との「縁」を生み出すことです。舞台は足立区千住地域。2012年度、足立区制80周年の記念事業をきっかけに始まり、今では地域に根を張る市民参加型のまちなかアートプロジェクトとして続いています。
向き合っている社会課題
今の地域社会には、見えにくい孤立があります。近所づきあいが薄くなり、学校や仕事以外で人と出会う場が少ない。住んでいる年数や年齢、立場の違いによって、同じ地域にいても接点が生まれにくいことがあります。 千住のように人の行き来が多い地域では、にぎわいがある一方で、関係の薄さも起きやすいはずです。地域の催しに参加する人は限られ、文化活動も「わかる人だけのもの」と受け取られてしまうことがある。すると、興味があっても一歩を出しにくくなります。 困りごとは、目に見える貧困や制度の不足だけではありません。誰かと話すきっかけがないこと、自分の感覚や表現が歓迎される場所が少ないことも、生活の息苦しさにつながります。こうした問題は数字では測りにくく、後回しにされがちです。けれど、地域で安心して暮らせるかどうかは、案外こうした小さな接点に左右されます。 この団体が向き合っているのは、まさにその部分です。人と人のあいだにある見えない壁を、音や表現の力で少し低くしていく。派手ではありませんが、暮らしの土台に関わる仕事です。
主な活動
ここでは、足立区千住地域を中心に、音をテーマにした多様なプログラムを展開しています。内容は幅広いですが、共通しているのは、地域の人が参加者であると同時に担い手にもなれることです。 まちなかでの音楽や表現のプログラム 通りや広場、地域の拠点を使い、日常の風景の中で表現が立ち上がる場をつくっています。観客として見るだけでなく、その場にいること自体が参加になる企画もあります。 市民とアーティストの協働 表現者が作品を持ち込むだけではなく、地域の人と一緒に考え、つくる形が重視されています。その土地の記憶や人間関係が、活動の中に自然に入ってきます。 大人数で関わるイベントの実施 たとえば、多くの演奏者が集まる大規模なコンサートのように、参加のハードルを下げながら、まち全体を巻き込む企画も行われています。身の回りの物や声まで表現の材料になる発想は、音楽の経験がない人にも開かれています。 地域拠点を生かした継続的な活動 単発の催しで終わらず、人が集まり、関係を育てる場を持ち続けている点も大きいところです。続いているからこそ、初めて来た人も入りやすくなります。 こうした活動の意味は、イベントの成功だけではありません。参加した人が、地域を少し違う目で見られるようになること。いつもの道や建物に、新しい意味が生まれること。その変化がじわじわと広がっていきます。
特徴
似たように見える地域イベントは各地にありますが、ここが際立っているのは、アートを「鑑賞のためのもの」ではなく、「関係をつくる方法」として使っている点です。音というテーマも絶妙です。絵や文章より身構えずに触れやすく、年齢や経験の差を超えやすいからです。 もう一つは、大学とNPOが連携しながら続いていることです。芸術の専門性を持ちながら、地域の現実から離れない。この両方がそろうと、活動は一時的な話題づくりで終わりにくくなります。研究や実践の知見が積み重なり、地域での表現活動が社会にどんな影響を持つのかを考える土台にもなります。 印象に残るのは、参加する人の幅の広さです。演奏できる人だけでなく、子どもも高齢の人も、普段は芸術に縁がないと感じている人も入りやすい。まちの中で表現が行われることで、「自分には関係ない」と線を引きにくくなります。 この積み重ねは、地域への見方そのものを変えます。にぎわいを作るだけでなく、まちにいる一人ひとりの存在を見えやすくする。そこに、この活動の社会的な広がりがあります。 支援や関わり方 社会課題に関わるというと、特別な知識や強い覚悟が必要だと思う人もいるかもしれません。でも、この団体への関わり方は、もっと日常に近いものです。 たとえば、ボランティアとして現場を支える方法があります。会場づくりや案内、参加者とのやりとりなど、地域の催しを一緒に動かす役割はたくさ